Vol.1 洗顔の意味と役割

アルソアR&Dセンター 岡田光弘
アルソアR&Dセンター
岡田光弘
洗顔の役割
肌を美しく健やかに保つためには、肌が本来持っているチカラを引き出すことが大切です。肌表面や毛穴に汚れがあると、肌機能は衰え、高価な化粧水や美容液などのスキンケア製品を使っていたとしても、十分に効果を発揮することはできません。
肌表面には、汗や皮脂・角質などの汚れと、チリやホコリ、排気ガスなどの汚れが付着しています。特に顔は、衣類などに覆われた部分と違い、常に外界にさらされています。そのまま放置しておくと、雑菌の繁殖や皮脂の酸化により、ニキビや肌荒れなどが起こりやすくなってしまいます。また、一日中つけていたメイクなども肌に残っていると、酸化して肌には負担となります。肌を正常に保つには、洗顔でこれらの汚れをきちんと取り除き、肌を清潔に保つことが大切です。
夜の洗顔
一日の終わりの洗顔は、日中の活動において自らでた汚れや、酸化したメイク、外界から付着した汚れを落とすために大切だということは誰もが考えていることと思います。ただ、やみくもに洗顔すればいいというものでもなく、洗いすぎも肌には負担となってしまいます。その日の肌状態、日中の活動状況によって洗顔方法を変えることも重要です。
外出することもなく、運動もメイクもしていない日や、肌がつかれていると感じたときは、洗顔石けんで1度洗いするだけで十分です。
メイクをしたり、運動をして汗をたくさんかいた日には、ダブル洗顔でしっかり汚れを落としましょう。しっかりメイクをした日や、メイクをしたけど肌が弱くてダブル洗顔だと肌に負担がかかってしまいそうな場合は、メイク落としをうまく利用して、肌への負担を少なくすることも大切です。肌へ負担がかかってしまうと、せっかくきれいに汚れが落ちたとしても美しい肌を保つことにはつながりません。
朝の洗顔
夜の洗顔は誰もが大切だと考えているとは思いますが、朝の洗顔はどうでしょうか。ただ寝ていただけなのに朝の洗顔は不要だと思われがちです。しかし、朝の洗顔も美肌を保つためには必要なステップです。ただ寝ていただけでも汗をかきますし、皮脂も分泌されています。また空気中のホコリなども付着し、意外と汚れはついているものです。そのため、朝もきちんと洗顔をして肌に付着した汚れを落とす必要があります。汚れをすっきり落とすことでそのあとのスキンケアも十分効果を発揮してくれます。
たくさんの汗をかいてベタベタしている場合など、ダブル洗顔が必要なこともありますが、朝は、すっきり汚れが落ちていれば、1回の洗顔で十分です。毎朝ダブル洗顔しないといけないと思い、洗いすぎてしまうと、肌へ負担をかけてしまうことにもつながります。肌の状態を確認しながら、洗顔回数を決めていくことも大切です。
朝の洗顔
洗顔方法
洗顔といってもやみくもに強くこすったり、濃い泡で洗ってすっきりさせることがいいというものではありません。
キメ細かい弾力のある泡がいいということは間違いではありませんが、濃すぎてしまうと肌へ負担となってしまいます。濃すぎず、キメ細かいしっかりした泡で洗顔することが大切です。
また、手のひらを顔にこすり付けるのではなく、泡で顔を洗う感覚で、円を描くように優しく洗いましょう。余計な力を加えなくても、キメ細かいしっかりした泡が出来ていれば、しっかり汚れを落とすことが出来ます。いい泡ができれば、肌の汚れを浮かすとともに、泡と泡の間に汚れがしみ込んできます。
お湯の温度も大切です。お湯の温度が高いと、必要以上に皮脂も落としてしまい、肌が乾燥してしまいます。ひと肌程度のお湯で洗い残しのないように素早く洗い流しましょう。洗顔後は冷水で肌を引き締めるとさらに効果的です。
一昔前は、汚れをしっかり落とすだけで、きれいな肌を取り戻せていましたが、近年食生活や環境が大きく変化し、石けんでは落ちにくいメイクアップ製品も使用されるようになってきました。食生活の変化により分泌される皮脂も変わり、肌状態も変化してきています。
また、気候の変化により乾燥気味の環境状態が多く、洗顔しすぎると肌への負担が大きくなる場合が増えてきました。落ちにくいメイクを無理やり石けん洗顔で落とそうとして、必要以上に洗顔すると、肌への負担が多くなり、肌トラブルを招くケースも出てきています。
洗顔は美肌への第一歩ですが、肌の状態を毎日観察し、その時々の状況にあわせて洗顔回数を工夫したり、メイク落としを併用することも大切です。

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