独自素材研究開発

白鶴霊芝について

白鶴霊芝(はっかくれいし、学名: Rhinacanthus nasutus (L.) Kurz)は、中国、インド、マレーシアなどに分布するキツネノマゴ科の植物で、インド、東南アジアで生薬として広く用いられてきました。また、中国では古くから広西、広東、雲南の山中が主な産地で、その薬効が霊芝に匹敵することと、白い花を葉の付け根や枝の頂上に咲かせている様子が、群れをなして飛んでいる白い鶴のようであることから、「白鶴霊芝」と名付けられました。

白鶴霊芝には脂溶性・水溶性のビタミン類、テルぺノイド類、ラクトン類、さらに白鶴霊芝特有の成分であるナフトキノン類の各種リナカンシンが 含まれています。

私たちは、台湾や中国で健康茶として親しまれた白鶴霊芝に着目し、1990年代からその効果性を追求しており、抗酸化活性や抗腫瘍活性をはじめ多くの機能性を見出してきました。

抗腫瘍作用

国立がんセンターの統計データによると、現在日本においては二人に一人が何らかの悪性腫瘍を患い、三人に一人は悪性腫瘍によって亡くなると報告されており、患者数も年々増加傾向にあります。

私たちは、白鶴霊芝の悪性腫瘍に対する効果を検証するため、白鶴霊芝抽出物がヒト白血病細胞(HL-60)に及ぼす影響を確認いたしました。その結果、白鶴霊芝抽出物の処理によってHL-60の濃度依存的な細胞増殖抑制作用およびDNAの断片化が認められました。白鶴霊芝抽出物はHL-60の細胞増殖を抑えるとともに、DNA断片化を促していることから、HL-60に対しアポトーシス誘導作用を持つと考えられました。これにより、白鶴霊芝には抗腫瘍効果が期待されると考えられます。

ヒト白血病細胞(HL-60)に対する抗腫瘍作用

ヒト白血病細胞(HL-60)に対する抗腫瘍作用

白鶴霊芝抽出物処理により濃度依存的な細胞増殖抑制作用が認められた。

HL-60に対する白鶴霊芝抽出物のDNA断片化作用(TUNEL法)

A:無処理

A:無処理

B:白鶴霊芝抽出物 1mg/ml添加

B:白鶴霊芝抽出物 1mg/ml添加

白鶴霊芝抽出物処理によりDNAの断片化を示す蛍光が認められた。

抗アルツハイマー病作用

近年、日本における認知症患者は増加しており、認知症の原因として知られているアルツハイマー病は、いまだ有効な治療法が確立されていないのが現状です。アルツハイマー病の発生メカニズムのひとつとして、脳にアミロイドβが蓄積することにより、神経原線維変化、神経細胞の死滅などが発生し、それに伴って認知症の諸症状が発症すると考えられています。

私たちは、白鶴霊芝のアルツハイマー病に対する効果を検証するため、白鶴霊芝成分がアミロイドβに及ぼす作用を検証いたしました。その結果、白鶴霊芝の特徴的な成分であるリナカンシンCが神経細胞様株化細胞(PC-12)におけるアミロイドβの細胞毒性を軽減させることが分かりました。さらに、リナカンシンCに海馬由来細胞における、アミロイドβの神経伸長抑制作用を軽減させる効果を確認しました。

神経細胞様株化細胞(PC-12)における白鶴霊芝成分(リナカンシンC)のアミロイドβ細胞毒性作用に対する抑制効果

神経細胞様株化細胞(PC-12)における白鶴霊芝成分(リナカンシンC)のアミロイドβ細胞毒性作用に対する抑制効果

無処理と比較しアミロイドβ添加後は細胞毒性の増強が確認された。また、アミロイドβおよびリナカンシンC添加後においては細胞毒性の低減が認められた。

海馬由来神経細胞におけるリナカンシンCのアミロイドβ神経伸長抑制作用に対する軽減効果

A:無処理

A:無処理

B:アミロイドβ添加

B:アミロイドβ添加

C:リナカンシンC添加

C:リナカンシンC添加

D:リナカンシンC+アミロイドβ添加

D:リナカンシンC+アミロイドβ添加

無処理と比較しアミロイドβ添加後は神経伸長抑制が確認されるがリナカンシンC添加後にはアミロイドβによる神経伸長抑制の軽減が認められた。

抗酸化作用

近年、生活習慣病や老化には体内で発生する活性酸素が深く関わっており、抗酸化効果を持つ成分による過剰な活性酸素の除去がその予防や健康の維持に重要だといわれています。

白鶴霊芝の活性酸素に対する作用を電子スピン共鳴法(ESR法)で検証したところ、白鶴霊芝抽出物によって代表的な活性酸素種であるスーパーオキサイドの減少が確認されました。また、その作用は白鶴霊芝の葉と根の両方に認められ、葉により強い抗酸化作用があることが分かりました。

活性酸素(スーパーオキサイド)の消去作用

活性酸素(スーパーオキサイド)の消去作用

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